20/7/2009
“はらへったです。
アミューズさんの事故もすこし落ち着いたので書いてみようと思います。
実はアミューズさんは甲武信のほうにもよく出入りしている会社で、少し酒を酌み交
わしたこともあります。山は、富士山に登ってその高さを知れ、大雪に登ってその大きさを知れ、といいます。
大雪はトクベツな山だし、大雪からトムラウシの縦走は難易度の高い、トクベツな縦走
だと思います。僕もまだ実現できていないし、まして中高年にとって、憧れ、夢。そういっ
た言葉で表されるものだと思います。ブームだからちょろっと行ってみました、なんて気
分でできる山ではないし、ブームなんかとは無関係。こういう縦走をやる人は、ブームだ
から、ではなくて、それなりに真摯に山に取り組んでいたんだと思う。ブームだから安易
に、というのは、偏向した報道だと思います。スケジュールをみると、14日に入山、白雲岳の避難小屋を確保。15日はヒサゴ沼の避
難小屋だと思います。ヒサゴ沼からトムラウシまでは2時間30分で、あとは下るだけ。
関東あたりと少し時間の感覚が違いますが、北海道だと2時間30分は目と鼻の先だ。
だから…いけると思っちゃったんだろうね。
手練になるほど怖いんだ。いくつも修羅場をのりこえてくると、あれもできるんじゃないか、
これもたいしたことはないんじゃないか、という気分になる。だけど、山はそんなには甘く
ない。僕も、3000mの大荒れの稜線で、歩けば歩けるんじゃないか、という気になるとき
がある。最終の下山日で、交通機関の予約がしてあって遅れれば面倒だ。停滞でつまじ
い食事で食いつながないといけない、という雑音が入れば、歩きたくなるのは人の子だ。
あの、2005年8月15日のあの暴風雨でも僕は歩いている。途中で早々に予定を切り上
げて山小屋に逃げたけどね。
山小屋に逃げたから何もおきなかった。だけど、予定通り歩いていたら、もしくは、そこに
山小屋がなかっとしたらどうだったろうか。
北海道の天気までは気にかけてなかったけど、事故のあった16日は北海道の真上に
低気圧があったはずだ。そして、実際ヒサゴ沼を出るときには危険を感じるような状況
だったそうだ。
14日の時点で16日の天気を言い当てることはできないだろうから、入山してヒサゴ沼
まではどうすることもできないにしても、16日、もしヒサゴ沼を放棄しなければ。何人か
が感じた「危険」という本能を信じていれば。17日の天気はヘリが飛ぶくらいだからなんともなかった。もしあの日、1日停滞してい
れば何もおきなかったはずだ。ヒサゴ沼の山奥でラジオが入ったかどうかはわからな
いけど、気象通報、いや7時の天気予報がせめて取れていれば16日の悪天も、17日
の回復も読めていたはずだ。»憶測だが、出発した時点ではそこまで天候は悪くなかったのではないか。
だが、出発した時点で何人かが「危険」を感じていた。
事故原因は服装でも、本州の人だからでもないと思う。危険を感じるような天候で、ヒ
サゴ沼を放棄してしまった。この1点だと思う。
アミューズさんのことだから、ツェルトくらいは多分持ってたんだと思うんだけど、ふき
さらしの稜線下で、ヒサゴ沼を出てしまったらもう逃げも隠れも、満足な休憩さえでき
ない小屋装備だったのは本人もよくわかっていたはずだ。もう出ちゃったら、火をわか
してコーヒーを飲むことさえかなわない。憶測だが、2時間半という距離を、軽視してしまったのではないか。いくつもの修羅場
をのりこえて、アルプスや大雪の大きな山を経験すると、2時間半という距離が、とて
も「たいしたものではない」ように思えてしまうものだ。だが、2時間半の距離は、いや、
30分でさえも、人の命を奪うには十分なのである。そのことを忘れてはいけない。本
州の人だから服装が甘かった、なんて関係ないんだよ。どうせ歩くときは薄着なんだ
から、なんか防寒具を持っててもそれはザックの中だ。
歩いてて、ふつうに歩いてて意識を失う。意識を失うまでわかんないし、風雨で意識
を失うなんてのはかくも簡単なことだ。もっと、山に対して謙虚になるべきだ。装備はどんどんよくなるが、雨、風、霧。その
危険性はなんら変わることはない。雨はこわいんだよ。風はこわいんだよ。霧はこわ
いんだよ。本気で降るときに、ふきさらしの山になんか行くもんじゃない。あまりニュー
スにはならんかもしらんが、低体温症の事故は夏~秋にかけてたびたび起きている。
みんなそれを知ってて、でも雨の中、予定だからってでかけるんだよ。予定って何?
登山で食ってるわけじゃないでしょ。たかが娯楽でしょ?僕がさ、車の中で、今日はダメだねえ、なんてうらめしげに空を眺めているときに、雨
”
具を着こんで平気ででかけていく人がいる。アルプスで。
そういうのを見てね、僕は賢いとは思わないの。まして、25mなんていう横殴りの風の
中で行動するなんて、正気の沙汰じゃないね。
— [mixi] 四捨五入で30万㌔号さん | 同じ状況で、僕は生還できないかもしれない (via kml) (via takaakik) (via otsune)